さて話を戻して、現場に行ってみる。
まずちょっとほっとしたことは、主賓席のテーブルというのがひとつではなく複数あることだった。そのため主賓席に座る人の数も多い。少し安心する。それでもやはり、周りは大物クラスが多い。
外国では、パーティはいつまでもだらだら続く。たぶん、主催者は 「だらだら続いている」 と認識してはいないようにも思われる。が、気の早い江戸っ子的なメンタリティの日本人にはだらだら続いているように見える (気がする)。
ええい、ぱっと食べて、さっさと帰る、というわけにはいかないのかい ? と言いたいところだ。
さらに外国のパーティは 「会話を楽しまなければならない」 のである。困る点だ。
特に男女が同席の場合は、主催者側があえて、男女男女男女のように座席を指定したりする。その場合、男性側が黙っているのは失礼にあたり、となりの女性を退屈させないように話しかけて場をもたせなければならないことになっている。困る点だ。
女性と話すことは、オレには問題ない ! と思った男性の皆様へ。
その女性というのは、つまり、そのような場にふさわしい 「大物」 なのです。
それも 「セレブ」 という言葉より 「大物」 という言葉が似つかわしいかたがたです。年配かつ教養のある皆さまです。下賤なジョークなど論外です。つまり問題は 「話題」 をどうするか ? なのです。
しかし。
実は、話題という観点でさらに困るのは、相手のほうからいきなり高尚な話題を持ち出されるケースである。そして、その英語がまったく理解できないという事態になってしまったりする。なぜかというと、日本語でも理解できないオハナシだからだ。英語で理解できるわけがないのだ。
なので、唯一の有効な手段は、とにかく先手をうってこちらが主導権を得るということだ。
つまり、自分のほうが相手より得意なテーマで話題の場を作り (例えば、日本文化に関すること) 可能な限り話し続ける。その際、英語はブロークンでも全然問題ない。なので、可能な限りこちらから話して話して話すのである。
しかし、この作戦にも、大きな欠点はあり …
とても疲れるんですよねえ。