子供のころから、メカ的なものがとても大好きな少年だった。
小学校高学年のある日、家で偶然見つけたのが OLYMPUS PEN という小型の写真機。それは父の所有物だったのだが、非常に魅力的なメカであるように見えた。そこで試しに、父に 「これを自分にくれ」 と言ってみたところ、父は特に反対しなかった。
そして、それが自分にとっての写真機との出会いとなった。
当時、鉄道が好きだった。そこでまず、写真機にモノクロのフィルムを詰めて鉄道写真を撮影してみた。そして痛切に感じたことは、写真機というメカがとても魅惑的な機械だということであった。
そして、写真機マニアになってしまった。
さてその後、学生時代に OLYMPUS の OM-10、そして OM-1(デジタルでも同じ名称の写真機があるが、もちろんフィルム時代の一眼レフのほう)と各種交換レンズを購入。
そして、一眼レフ写真機をどこに行くにも常に持ち歩いて、北海道の風景を撮り (当時は北海道在住だった) モノクロフィルムの現像とプリントをするという日々を過ごした。
さて大学を卒業するにあたり、進路は、写真機方面を選択した。写真家方面ではない。撮像光学機器のエンジニアリング方面である。
さて。
魅力ある写真機とは 「作り手の、こういうモノを作りたいのだ ! という魂のこもった写真機である」 と思う。
であるならば、OLYMPUS のカメラ開発部長であり、天才的写真機設計家でもある米谷美久氏が若きエンジニア時代に魂を込めて設計した OLYMPUS PEN や、OM-1 は、間違いなくその一典型といえるだろう。
つまり、そのようなカリスマ写真機に最初にさわってしまったのだ。
お買い得な価格やハイテクな多機能を売り物にした写真機は、あっという間に影が薄れて忘れ去られてしまう。しかし、魂のこもった、作り手の熱い気持ちが感じられる写真機は忘れ去られることなく後世に伝えられる。
写真機に限らず、後世に伝えられるのはそのようなものであろう。
そのようなものを残したいものだ。
さて、また時は流れ …
現在は、Leica(M Monochrom、M8.2、M10-D、M-E)と EOS(1DX III、5D Classic、6D)とお気に入りのレンズで街角の心に残る風景をテーマにした撮影をしております。
「いつも通る道だからって、景色は同じじゃない」
(森博嗣「スカイ・クロラ」より)
という言葉が好きです。
ふつうの街角の風景のなかに、心にささるものを発見したいです。
後記: なお、自分を写真機マニアに導いてくれた OLYMPUS 社は、2021 年に写真機事業から撤退してしまった。たいへん残念である。
* * *
・ OLYMPUS 社にてエンジニア・管理者として 18 年勤務
・ 2008 年: アサヒカメラ 月例フォトコンテスト 第 1 位(組写真)他
・ 2015 年: 第 50 回 光展 守口市市議会議長賞受賞
・ 2016 年: 第 51 回 光展 日本光画賞(最高賞)受賞
・ 2017 年: 一般社団法人日本現代写真家協会(JMPA)会員となる
・ 2017 年: 第 52 回 光展 入賞により、日本光画会・会友推挙を受ける
・ 2019 年: 第 54 回 光展 入賞により、日本光画会・会員推挙を受ける
・ 2023 年: 第 58 回 光展 大阪府知事賞受賞
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・ 2017 年 - 現在: 日本現代写真家協会(JMPA)写真展に会員として作品を毎年出展
・ 2020 年 - 現在: 光展に日本光画会・会員として作品を毎年出展
MURAYAMA, Yasushi / 村山 靖 (東京都)
・ 日本現代写真家協会(JMPA)会員
・ 日本光画会 会員