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from the World

BARCELONA, SPAIN
Report No.2


バルセロナにて


Story of 14-16 October 2001

謎のメニューにいどむ

さて、第二部である。

では、前回までのあらすじを (そんな大層なものではないか) 書くとこうなる。何もかもが高いバルセロナの高級国際ホテルに音を上げて、ホテルの外をさんざん歩いて安くてうまい大衆的なレストランを首尾良く見つけた我々だった。が、しかし、そこには問題がひとつあった。

で、問題とは何 ?

高級国際ホテルであれば、まず英語のメニューが出てくる。そののち慇懃な態度の英語を解するウェイターが来るであろう。で、おもむろに優雅にオーダーすれば良い。しかし ! スペイン低価格大衆料理屋ではそのようなインターナショナルなサービスは望むべくもないのであった。そして我々一行のなかで、スペイン語が少しでもわかるというヒトは誰もいなかったのである。

要するに問題というのはそこなのである。スペインで、低価格大衆料理を食べたいと思うと 「まったくわからんメニューをどうする ? 」 という問題と直面せざるを得ないのである。

さて、下の写真をご覧あられたい。実はこれは前ページにある写真の部分拡大だ。ちなみにこれと同じモノが店内にもある。が、このレストランで料理をオーダーするに当たって客が得られる情報はこれだけなのだ。


内容の想像がつくだろうか ? これがこの店の唯一のメニュー

さて、ここで問題。

これだけの情報をもとに何とか推理して適切な料理を注文をすることができるか ?

うむ、さっぱりわからん。と最初はややひるむのである。しかし何とか食い下がらねば注文ができない。注文できないということはメシが食べられないという死活問題である。ということで、気を取り直して想像力を働かせてみる …

では上から見ていくとしよう。まず 「PLATOS COMBINADOS」 とある …

PLATOS というのは 「お皿」 という意味のスペイン語の複数形か ? COMBINADOS はコンビネーションだろう。「組み合わせられた複数のお皿」 ? どうも 「ランチ・セット」 ということらしい。下の方を見ると 700 とある。うむ、手頃な値段だ。

で、次を見る。ENSALADA ?

ま、これはサラダのことでしょう。

そのあとのフエボフリト、パタタスフリタスというのは謎である。しかし、なんとかフリトとか、なんとかフリタスとかいうのは、フライド・ポテトなどのように 「フライドなんとか」 ではないかとも思われる。その前提でパタタスの意味を想像すると、ポテトという感じがする。

フエボフリトは依然として謎のままだが、以上の推理が正しいとすれば、要するにサラダ、フライドポテト、もひとつフライドなんとか、プラスあと一品のランチ・セットということだと考えることもやぶさかではない感がある。そしてその下の右に並んでいるリストからメインのオカズをひとつ選べということか。

おそらく。

では何を選ぶか ?

ビステック ? ロモ ? エスカロパ ?

と思いきや、同行のスェーデン人がおもむろに 「ロモ」 を頼んだ。で、何それ ? と聞くと 「知らん」 のひとこと。なるほど。

しかし下まで見ていくと、語感から想像がつきそうなやつもある。ハンブルギョーザ というやつ。

もちろん、ギョーザの一種だろう。(違う違う)

しかし結局、クロクエタスに勝負を賭けることにしたのである。

というか他はさっぱりわからない …


で、出てきたものはコレ。700 ペセタの大衆向け定食である

結論。クロクエタスは思った通り、コロッケだった。フライドポテトとサラダも、首尾よくついてきている。謎のままだったフエボフリトは、どうも、目玉焼きのようである。

と、想像力を働かすと、意外と何とかなるものである。

ちなみになにごとも、そういつもうまく行くとは限らないのもこの世の習い。今回の旅で同行の方が、メインのまえの軽い前菜のつもりでオーダーした 「新鮮な魚介類のプレート」 が、イザ出てきたら、直系 50cm 級の大皿の山盛り料理だったのであった …


新鮮な魚介類のプレート。見よこの大きさ

で、最後の晩。

スペイン料理屋で 「イカスミのリゾット」 を頼む。出てきたその料理は確かにイカスミで黒い。覚悟はしていたが、それにしても黒い。何だかコールタールのカタマリのような、一切の妥協を廃した真っ黒などろどろであった …


イカスミのリゾット。覚悟していたとはいえ、黒い


使用撮影機材 : Sanyo DSC-MZ1