ロンドン到着後最初の三日間は、種々の会食が連続して、偶然だが三日連続で中華料理屋へ行くはめになってしまった。そこでその次の日は、中華は避けて、これもある種のロンドンを彩る風景のひとつである数あるインド料理屋へと向かうことにする。ロンドンでは、インド料理レストランがやけに目に付く。やはり旧宗主国とかで、いろいろつながりがあるのだろう。
ちなみに、インド料理屋へと向かうもうひとつの理由は、無茶苦茶に辛い、いわゆる激辛料理が好きなためある。
インド人のウェイターに、辛いモノが好きだけどどのカレーが辛いのか? と聞くと、どのカレーもたいして辛くないとのこと。これは意外。激辛料理のあるお店ではなかったのか、ここは。
しかしよく聞くと、そのインド人の言いたいことは、そもそもカレーごときを激辛料理とは呼ばないでほしいということのようであった。そうではなく、この店には別の超激辛料理がある、と聞き捨てならぬことを言う。「ヴィンダールー」 というのだが、それはどうだ ? とのこと。
そう言われては引き下がれない。一切の妥協を廃し、その 「ヴィンダールー」 のさらにいちばん辛いというやつを頼んだ。
口の中の感覚がなくなり手足がぽかぽかして思考力が麻痺するくらい、極めて心ゆくまで辛く、大いに満足した。ロンドンに行ったら 「ヴィンダールー」 を頼みましょう。