この日は滞在四日目となる。
会議は三日目に入る。
会議内容は、ISO 13485 という規格の原案を練り上げるための具体的議論で、配布された厚さ二センチくらいの各国からの意見が編集された資料の検討である。もちろん全て英文である。その資料をベースにして、アメリカ人議長の進行でどんどんテンポよく議論が進む。非英語圏国民としては大変つらい状況である。
が、その道のスーパーな専門家の真剣かつ具体的な議論である。「目からうろこ」 ということもしばしば。ひょっとして、リヨン市内の、どのような他のエンターテインメントよりも、この議論そのもののほうが面白いのではないか ? と思う瞬間である。
しかし、かなり分厚く難解な英文資料である。非英語圏国民は、夜は夜で、翌日の議論の分の資料の予習をせねばならない。
そういうわけで、田舎町に隔離されても、夜、退屈しているヒマはないのだ。
さて、明日で会議も最後となる。会議最終日は終了後そのまま帰途につく人も多い。そこでこの日、つまり会議最終日前日の夕方、主催者のハカライで市内中心部のローヌ川の波止場まで行くバスが用意された。そして一時間ほど、ローヌ川の遊覧船に乗せていただくこともできた。