ご参加の外国人の皆様から 「おお、日本のレストランが、こんなところまで進出してフランチャイズを出しているのですか ? すごいですね!」 という声が出る。
いやそれは違うでしょう、レストラン名が日本っぽくないから、と答える。すると、なぜ違うのですか ? スモーも、スシも、ベントーも日本語ではないのですか ? というご質問である。
そこで、少し考える。
まず 「寿司」 という言葉が寿司屋や料理屋の名称に入っているのは全然おかしくないだろう。というより、ごくふつうのことだ。「〇〇弁当」 とか 「弁当〇〇」 といういうような店名も、まあ高級料亭の名前には使われないだろうが、定食屋なら決定的におかしいわけではない。特に、お持ち帰りもあるお店ならそうだろう。
すると、料理屋の名前として違和感があるとすれば、それはやはり 「スモー」 という部分になる。
そこで、スモーという言葉は日本式レスリング競技の名称で、レストランの名前にはあまり使わないのではないか ? と説明する。しかし、あまり納得していただけない。
でも、相撲は、スポーツでもあるけれど立派な日本古来の伝統文化でしょう ? 日本食のレストランの名前に入っていてもおかしくないのでは ? というご意見である。
そう言われればそれもそうだ。例えば両国あたりに 「相撲寿司」 という寿司屋があってもおかしくない (実際にあるかもしれない) …
と、納得しそうになるが … しかし ! それでも
スモースシベントーというレストラン名はおかしい !
と思うのだ。
なぜだろう ?
おそらく日本人の皆様には、スモースシベントーという日本食レストランの店名は、どこかセンスがおかしい、あるいは、少なくとも日本人が考えた名前っぽくはない、ということにほぼ同意していただけるだろう。
しかし、外国人には (ある程度日本通で、相撲、スシ、弁当という言葉の意味を知っていても) 日本食レストラン名としてまったく違和感がないそうだ。
その感じ方の違いを議論するのだが、そのセンスの違いを、言葉で (しかも英語で) 説明しようとしてもなかなかに難しいのである。
ちなみに、料理は本格的に日本の料理を再現した和食と、かなりインターナショナルなテイストにアレンジされたジャパニーズフード (例えば、アボガドやパインアップルの上に魚料理が乗っているようなもの) とに、メニューが二極化されている感じであった。
おそらく、日本人から習った通りに作っているものと、自分たちで工夫したものと両方あるのだろう。
ちなみに料理人はすべて地元の人である。お値段は、まあまあリーズナブル。