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OTTAWA, CANADA
Report No.2


オタワに向かう途中、米国・デトロイト空港にて夜明けを見る


Story of 25-28 May 2004

オタワのあれこれ

さて、後編である。

いちおう前回までのあらすじは、艱難辛苦に満ちた旅の末、何とかオタワ往きの飛行機に乗り込むことができ、無事飛び立った、というところである。

まあそして、我々一行は (というか自分だけなのだが) ようやくオタワに到着したのであった。

閉口するのは手持ちの本を読み尽くしてしまったこと。日本から、読みかけの本を一冊と、まだ読んでいない本を三冊、計四冊ももってきたのに、この長い移動の間に、読みかけの本を当然読了するとともに、残りの三冊のなかの二冊半も読んでしまったのである。

さらに、ちなみにその最後に唯一残った本は 「イエスの生涯」 という異色な、かつ超まじめな本である。別に当方はキリスト教徒ではない。しかし、たまには牧師さんのオハナシを聞く機会もあり、そういうからみで、本屋で目についた文庫を、まあ、かような本もたまには読んでもよいかもしれないと思い購入したものである。読んでみると、あたりまえだが、イエスの生涯について書かれている。要するに、固い本であり、読んで何か楽しいという本ではない。そしてこれから一週間、ヨミモノとして残されているのはこの固い本の、更に半分だけなのであった。

さてそういうわけで会議に出る。しかしやはり移動中の疲れが出て、気合いがのらないことはなはだしいが、やむを得ない。

25 日の会議終了後、会議メンバーが皆がそろって食事に行くところ、自分だけは早く部屋に戻って休養をとることにする。しかしちょっとおなかはすいている。そのため、まず何か軽い食べ物を買いに出ることにする。ホテルの回りをぐるっと回ると、ちょっとあやしげな日本料理と韓国料理のテイクアウトもやっている店があった。大きく Yaki - Soba $ 8.99 という紙が貼ってあったので、それを購入する。

ホテルの部屋に戻って、そのテイクアウトの包みを開けてみると、それはしかしどうみてもヤキソバとは言えない。強いて言うと、サラウドン。あるいは、更に正確を期せば 「ブロッコリーとうどんのいためもの」 であろうか。

このあたり、カナダの日本料理はなかなか奥が深いのである。


これはどうも、Yaki - Soba ではないと思う …

翌日の昼も、そのお店に行ってみることにする。

こんどは U - don $ 6.99 というのをたのむ。ユー・ドン ? なぜ Udon ではなく、U - don なのか。わからない。このあたりも奥深いモノがある。今回、目の前に出てきたそれは正しく日本のうどんであった。しかし、メニューは U - don なのに、ギョウザ 2 個、キムチの小皿、サラダ、カリフォルニアロール三個が目の前に並んだ。このあたりもさらに奥深い趣向である。


これが U - don。ギョウザ、キムチとともに

ということを書きつつ思うことは、この旅日記シリーズ全般、どうも移動に関するネタと、食事関連のネタが多い、というかそればかり、ということである。しかしそれは、基本的に、これらの旅が 「移動」 → 「仕事」 → 「食べる」 → 「寝る」 → 「移動」 という基本サイクルのみで構成されているためなのである。それ以外のハナシが出ないのは、どうにも仕方ないのないことである。

そう言えば、前回、カナダに来た際に、Teriyaki Experience というチェーン店があるのを発見した。しかし納得できないのは、「照り焼き」 というものは、タレを鶏肉なら鶏肉に塗りつけて、それから焼くものであるはずなのに、完全にウェスタナイズされたこのお店では、まず肉を焼いて、それからテリヤキの味のタレ、というかソースをその上に注ぐという手順であることなのである。

さらにさらに、そのソースには 「テリヤキソース」 以外のオプションもありますとのこと。試しに 「他に何があるんですか ? 」 と聞くと、まずは、ソイソース (醤油。まあ、それは良かろう) とのこと。そしてもうひとつは …

「ケチャップ ! 」

というご説明であった。カナダの日本料理は本当に奥が深い。

で、このあたりのことを、会議の合間にカナダ代表の日本通のカナダ人に話すと …

「カナダの日本料理屋の 99% は本当の日本料理ではありません。なぜならコックが日本人でないからです。あれは私に言わせれば、ぜんぜんダメです。食べる価値はありません。しかし残りの 1% の店で、これぞ素晴らしき、本当の日本料理 ! というのもカナダでは食べられるのです。機会があったら、是非、トライしてみてください」 とのこと。

「しかし、そういうところは高いのですよねえ」 というと …

「そう高い。あまりにも高い。ベリー・ベリー・エクスペンシブ」 と悲しい顔になるのであった。

というあたりで、読者諸兄の皆様は納得ができないかもしれないが、内容のないこの旅日記も終わりが近づくのである。そういえば、到着日はオタワのフェスティバル期間で、街にいろいろなハタが立てられているのを見たものであった。しかし、その割には、どうもいまいち活気がない …

カナダの首都、オタワは、歴史的に商業、経済、文化の中心として栄えてきた都市というより、政治的に英語圏と仏語圏の接するところに首都の位置を選んだというところなので、江戸の伝統を引き継ぐトーキョー、フランスのパリや英国のロンドンというような、華やかな、その国を代表する大都市でないのは確かなのだが、しかしお祭りだというのに、どうもあまりにもカンサンとしているのが特徴的であった。

しかしいずれにしても、これでオタワ滞在は終わり。オタワ空港から成田へとむかうのであった。イエスさま、どうか無事につきますように。

最後にいちおう、オタワの写真をどうぞ。お祭りの旗が立っているのだが賑わいにかけるのである。


使用撮影機材 : EOS Kiss Digital