ということを書きつつ思うことは、この旅日記シリーズ全般、どうも移動に関するネタと、食事関連のネタが多い、というかそればかり、ということである。しかしそれは、基本的に、これらの旅が 「移動」 → 「仕事」 → 「食べる」 → 「寝る」 → 「移動」 という基本サイクルのみで構成されているためなのである。それ以外のハナシが出ないのは、どうにも仕方ないのないことである。
そう言えば、前回、カナダに来た際に、Teriyaki Experience というチェーン店があるのを発見した。しかし納得できないのは、「照り焼き」 というものは、タレを鶏肉なら鶏肉に塗りつけて、それから焼くものであるはずなのに、完全にウェスタナイズされたこのお店では、まず肉を焼いて、それからテリヤキの味のタレ、というかソースをその上に注ぐという手順であることなのである。
さらにさらに、そのソースには 「テリヤキソース」 以外のオプションもありますとのこと。試しに 「他に何があるんですか ? 」 と聞くと、まずは、ソイソース (醤油。まあ、それは良かろう) とのこと。そしてもうひとつは …
「ケチャップ ! 」
というご説明であった。カナダの日本料理は本当に奥が深い。
で、このあたりのことを、会議の合間にカナダ代表の日本通のカナダ人に話すと …
「カナダの日本料理屋の 99% は本当の日本料理ではありません。なぜならコックが日本人でないからです。あれは私に言わせれば、ぜんぜんダメです。食べる価値はありません。しかし残りの 1% の店で、これぞ素晴らしき、本当の日本料理 ! というのもカナダでは食べられるのです。機会があったら、是非、トライしてみてください」 とのこと。
「しかし、そういうところは高いのですよねえ」 というと …
「そう高い。あまりにも高い。ベリー・ベリー・エクスペンシブ」 と悲しい顔になるのであった。
というあたりで、読者諸兄の皆様は納得ができないかもしれないが、内容のないこの旅日記も終わりが近づくのである。そういえば、到着日はオタワのフェスティバル期間で、街にいろいろなハタが立てられているのを見たものであった。しかし、その割には、どうもいまいち活気がない …
カナダの首都、オタワは、歴史的に商業、経済、文化の中心として栄えてきた都市というより、政治的に英語圏と仏語圏の接するところに首都の位置を選んだというところなので、江戸の伝統を引き継ぐトーキョー、フランスのパリや英国のロンドンというような、華やかな、その国を代表する大都市でないのは確かなのだが、しかしお祭りだというのに、どうもあまりにもカンサンとしているのが特徴的であった。
しかしいずれにしても、これでオタワ滞在は終わり。オタワ空港から成田へとむかうのであった。イエスさま、どうか無事につきますように。
最後にいちおう、オタワの写真をどうぞ。お祭りの旗が立っているのだが賑わいにかけるのである。