今回は、バルセロナの旅日記。これは、その旅行中に得られた有益な情報をいっさい排除し、役に立たない情報のみを厳選し、写真つきでまとめたレポートとなります。
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しかし …
ここのところ、海外へ行くために飛行機に乗ること自体、ややためらわざるを得ない状況ではある。いまは 2001年 10月。ニューヨーク・ワールド・トレード・センターのテロ事件から、まだ一ヶ月という時期なのだ。世界中の空港は、超完全厳戒体制である。まあ、空港や飛行機がすいてそうなのだけは救いかな ? と思いつつも成田空港に向かうのであった。空港に誰もいなかったら、それはそれでまた怖いけれど。
さて飛行機のハナシが続く。
最近、航空会社がハイジャック防止のため、機内食のときに使うナイフを、すべてプラスチック製に変更した。(後記: いまはまた金属製に戻ったようです)
で、まあそんなこことはエコノミー席の住人にとってはどうでもは良い気がする。もともとエコノミー用の食事は、ナイフが金属製だろうがプラスチック製だろうが、そんなことを論ずる以前のシロモノだからだ。
しかし同じ飛行機のなかのはずなのに、ファーストクラスの食事はぜんぜんそういうものではない (らしい。見たことないが、たぶんそうだ)。
ファーストクラスの食事は食事であって、きっとゴージャスなディナーの雰囲気を出したテーブルで食事をするのだ (らしい。見たことないが、たぶんそうだ)。ウェイターよろしくスチュワードがきて、レストランと同じようにワイングラスや水を飲むグラス、そしてお皿を並べるのである。そして、ぴかぴかに輝くステンレス製のスプーンも。
そしてその隣に、そう、ぺらぺらのプラスチック製のナイフとフォークを並べるのである。それも前菜用とメイン用と、二本ずつ。
これは結構、笑えるらしい。見てみたい。見るためにはかなりの出費が必要だが。
まあしかし、こちらはエコノミー席だ。ぺなぺなのプラスチック製のナイフとフォークで食事をしているあいだにも、飛行機はバルセロナへと向かいつつあるのである。