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CHENGDU, CHINA
Report No.1


中国・成都で


Story of 23 October 2007

チェンズ ? ってどこ ?

Chengdu とかいうところに行くことになった。

行くことになったのは良いが、Chengdu とはどこか ? という疑問に直面する。調べなくては、と思いつつ放っておくうちに、やや準備の手順が遅れてしまったことは否めない。

いよいよ出発直前に調べたら、チベットへの旅のベースキャンプ的な位置づけになる都市とのことである。では奥地の中小都市か ? と思ったら、何と人口 800 万人。中国はスケールが違う。地理的には四川省。パンダの飼育地としても有名。そして、漢字で書くと 「成都」 である。

「成都」 なら知っている。いや何かで見た程度だが。

その成都の国際会議場で大きな国際会議があり、参加することになったのである。

なお航空機の直行便はなく、まず北京に飛び、国内線で成都に向かわなければならない。乗るべき中国国際航空便は朝 9 時成田出発である。それに乗るためには、朝 7 時には成田空港につくようにしなければならない。超早起きして家を出るのであった。

というわけで、成田空港から北京を経由して、中国・成都の国際空港に到着する。

今回のホテルは成都市内のホリディ・インである。

さて、成都国際空港の到着ロビーから出たところでタクシーに乗り込む。タクシー運転手がメーターを倒して空港出口に向けて走り出す。そして 「行き先は ? 」 という雰囲気のことをいうので 「ホリディ・イン」 と言ったのだ。しかし、これがまるで通じない。通じないといったら通じない。仕方ないので HOLIDAY INN というホテル名と住所が英語で書いてある紙を渡したが、それもまるで通じない。通じないといったら通じない。

信じがたいことだが、成都国際空港に出入りするタクシーの運転手なのに 「ホリディ・イン ? いったい何 ? 聞いたことないぞ」 という態度である。

そういう誤解ぶくみの局面での中国人は一般にけっこう刺々しい雰囲気になるので、知らないウチに何かまずいことをしてしまい、激怒した運転手にいやがらせをされているのではないかと密かに心配したが、そういうことではないらしい。

つまり 「翻訳」 しなければいけなかったのだ。

全く知らなかったのだが、ホテル名の HOLIDAY INN は、日本人が日本語で話すときも 「ホリディ・イン」 である。が、中国では違うのである。中国語の、違う名前で呼ばなければならない。即ち、HOLIDAY INN というのは、固有名詞ではあるが、英語でもある。なので、中国語に翻訳をしなければならないのである。つまり、中国では、外国資本のホテルは、中国語 (下記参照) に翻訳した名称になっているのである。

例えば HOLIDAY は 「暇日」 とかに訳す。それを正しく中国語として読んだ読み方で申し述べないと通じないのだ。


これが中国語の Holiday Inn Crowne Plaza。暇な日 = Holiday とか書いてあるようだ

道ばたにクルマを停めて、タクシー運転手とあれこれさまざまな紆余曲折があった末、ようやくそのあたりがおぼろげに理解できたのである。しかしそれを理解しても何ら解決につながらない。

非常に幸いだったのは、ホテルの電話番号が英語の紙に書いてあるのをタクシー運転手が、ふと発見したことである。タクシーの運転手にとって英語の文書などは暗号と同じであり、ハナから全く読もうともしなかったのだが、ふと、電話番号が電話番号であることだけは理解したのである。半信半疑ながらもおもむろに携帯でその番号に電話して、ホリディインの人と話して、一挙に行き先問題が解決を見たのである。

さてそういうわけで、なんとかホテルに到着。

早朝出発も悪いことばかりでなく、時差の関係で一時間時計が戻ったこともあって、まだ昼過ぎの時間帯である。せっかくの機会なので成都市内を見て回ることにする。

が、どこに行くにも再度、タクシーに乗らなければならない。

成都は人口的には東京クラスの大都市だが、地下鉄というものがない。市電のようなものもない。バスが走っているようだが着いたばかりの異邦人には路線も乗り方もわからない。行き先がどこであろうが歩いていけないところへ行くにはタクシーしか手はないのである。その一方で、空港からホテルまで 30 分近くタクシーをとばしても 1000 円である。金銭面ではタクシーをいつも使うのが問題にならないのは良いところ。

そしてその際、重要なポイントは、ホテル名、電話番号、住所を必ず漢字で書いた紙を持ち歩くことである。

さて今回の旅で観光のチャンスはこの数時間だけである。なのであれこれ見て回ることはできない。まあ、パンダ見物はやめておく。地球の歩き方の成都のページで最も優先度が高く紹介されているのは 「武侯祠」 というスポットである。まずそこにタクシーで行き、あわせてその隣の旧市街を散歩することにする。三国時代の古い施設で、諸葛孔明を祭った社とのことである。

再びタクシーに乗りこむ。「武侯祠」 は地球の歩き方に中国語読みで 「ウーホウ」 と書いてあるので 「ウーホウ」 と言ってみたら、これは通じて、無事ウーホウに到着。


「武侯祠」のなかのようす。この写真の印象より大きくて豪華

というわけで、その日の午後は武侯祠を中心にその近辺の成都市内を見て回るのだった。成都は、中国の古い歴史に関わる物と、日常の生活が遊離しているのではなく、街を歩く中で双方を同時に感じることができる街だと感じる。 歴史的有名観光地があるというだけの意味ではなく、例えば散歩で歩いている路の石畳などもよく見てみる、すると歴史をふと感じるという意味あいである。

写真も、古都成都の印象を大切にしたいと思い、今回は愛用の一眼デジカメは家においてきた (と言いつつ、いちおう小型のデジカメは持ってきたが)。1958 年製 Leica M2 にモノクロフィルムを詰め込み、撮影に臨んだのである。

古都成都の雰囲気にひたりつつ Leica M2 とモノクロフィルムで撮影をしたのである。

だが …

観光スポットでふと気づくと (当然かもしれないが) 中国人の皆様は全員、デジカメである。あるいはカメラつき携帯である。皆様、液晶画面を見ながらぱちぱち記念写真を撮っているのである。中国の古都、成都で銀塩フィルムのカメラを持って古都の雰囲気にあうわいなどと思いつつ歩いているようなやつは、どうも自分だけのようであった。

さて観光はそれでおしまいである。

翌日からは会議が始まった。国際会議場構内のホテルに幽閉され、朝起きたらホテルで朝食、午前中仕事、昼食、午後仕事、会食、寝るというパターンの日々である。そのあたりは省略。


「ウーホウ」 こと 「武侯祠」 の周辺で撮影

というところで Report No.2 へつづく …