ということで、19 世紀の大邸宅にいるという雰囲気を味わえる会議場であった。
さて、仕事の話は省略。夕方には会議は終了し、夕暮れの道を歩いてホテルに帰る。そして、エントランスで、ホテルのレストランのその日の夕食のメニューを見る。
すると …
「なんじゃあこりゃあ」
というお値段である。
夕食は、ホテルのレストランでフランス料理を、という案は、たちまち却下である。そして、手頃なレストランを求めてホテルの周りを歩いてみるのだが、さようものは一軒もない。ないといったらない。あるのは、朝見かけたガソリンスタンドと、シトロエンのディーラーだけである。
まあしかし、そこでガソリンスタンドに行ってみると。
パンを売っている …
というわけで、夕食メニューは 「ジュースとパン」 となった。
まあ、パンといっても、ただのパンではない。フランスはリヨン郊外シャボニーレ地方の … ガソリンスタンドで購入したという … 菓子パンである。甘い。かなり甘い。フランスパンとか、クロワッサンとかだったら、少しはフランスらしくてまだ良かったのだけど。
フランスまで来て …
何をしているの ? と思う方もおられよう。
しかし、リヨン市中心部にタクシーで行くと、円に換算して約 4000 円かかるという話である。さらに、運が悪くてぼられ気味になると 6000 円くらい取られるそうだ。
往復予算一万円 ! なのだ。
「今日はちょっとリヨンでお食事なの ! 」 とかいうわけには行かないのである。
というのは …
前夜、空港に到着後、何気なくホテルまでタクシーに乗ったのだが、空港から見てホテルはリヨン市中心部の更にはるか向こうなので片道一万円もかかってしまったのだ。帰りも、もしタクシー以外に良い移動手段がなかったら、空港に行くのに再度一万円必要となる勘定である。そして来るときに成田空港でユーロに両替したのは 25000 円である。ホテルの近くには、当然のことながら両替所も銀行もない。
手持ち資金に不足をきたしているのだ。