歓迎会のはなし
さてイズミールで会議が始まって早くも四日めである。この日の会議の後は、市内を散歩して回ることにする。
路上で骨董品を売っているおじさんのたたずまいが渋い。
イズミールの街角で。路上骨董品店の老人
その後、夜は歓迎会なのであった。会議場のあるホテルからバスに乗り込み、メンバー全員で郊外のレストランへと向かう。
イズミール郊外のシーフードレストラン
レストランではとなりに中国から来た男女が座ったので、しばしメモ用紙に筆談で冗談を書きあってコミュニケートする。
そのうちに、やがて宴もたけなわとなった。そこで 「ここはひとつ余興に、私が中国語の詩を書いてあげよう」 などど重々しく言ってから、渋い顔つきで、おもむろに紙に大きく
「国 破 有 山 河」
とかいて 「しかし残念ながらこれだけしか知らない」 と言ったら、中国人大笑い。しかし、どうも受けた理由は中国語がデタラメだったからのようで 「違う違う、国破山河在だ」 と、たちまち添削されてしまった。
するとそのやりとりを正面に座って眺めていたオーストラリア人のオトコがいきなり割って入ってきて 「オレにもジョークを書かせろ ! 」 というなり … 書いた。
オーストラリアの化学的ジョーク。メルセデス・ベンジン
これも非常に受けた。理科系人間には。
しかしここに中国政府から派遣された女性がおり、彼女だけはその意味を解しないようすである。文化系だったのだろうか。不可解な様子で 「これは何ですか ? どういう意味があるのですか ? 」 とまじめな表情で質問する。 「いやいやいや、そんな深い意味ではないんですよ」 などとごまかそうとしても納得しない。結局、著者のオーストラリア人のとなりに行って説明を求めた。結局、かのオーストラリア人、親切に、なにゆえにこれが 「メルセデス・ベンジン」 なのか、その化学的背景を詳細に解説するのであった。
数分の説明の後に、ようやく中国政府代表の得心を得られたようである。
レストランでトルコの主催者団体の人と