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Reports
旅日記


6th day, Napoli

ナポリでのドライブは無法地帯

さて、イタリア大征服の旅も、この日で六日めとなる。朝、イタリア中央部のアッシジを出発して、ひたすらイタリア半島を南下する。

なおこの Report No.2 での移動経路は、イタリア中部から南イタリアを経由してシチリア島にわたるまで。地図ではこのようになります。

そして、ローマより南では最も大きな都市であり 「ナポリを見て死ね」 で有名な ? あのナポリへと到着するのであった。

さて、このあたりをドライブして感じることは、どうやら交通法規などというものは重要ではないらしいということである。人々はほぼ気の向くまま右へ行ったり左に行ったりしており、その中でのドライビングはある種の慣れが必要である。

さて、ナポリのインターで高速を降りて市街地に入り込むと、驚いたことには、更にその上、ナポリ市街では信号というモノが全く機能していないことがわかった。市内の全域で信号が故障しているのだ。そのようなわけで街中の交差点はルールも何もなく、完全な弱肉強食状態と化していた。

というわけで、他のクルマに道などをゆずっていたら全く前に進めないという状況に入り込んでしまう。かといって強引に進むと思わぬ方向からクルマやバイクがつっこんでくる。恐ろしいことこの上ない。 「ナポリを見て死ね」 とはまさにこのことだ、などと冗談を言っている場合ではない …

しかし、しばらくして少しこのシチュエーションになれてきてからあたりをよく見ると、それでもそれなりに何とかなっているのに気づく。そのあたりが、まあつまり南イタリアというべきなのであろうか …

つまりはこういうことだ。

ヨーロッパでも何事も謹厳実直なドイツあたりだと、クルマも人も必ず信号を守る。赤信号では人もクルマも必ず停まる。あたりまえだと思うなかれ。これが南ヨーロッパだと、そもそも信号とは、原則的には無視されうるモノなのである。

そして、更にここは 「ナポリを見て死ね」 のナポリである (関係ないか …)。ここらあたりでは信号というのは、どうも最初から 「参考程度」 というような位置づけと理解されているのであった。

まあそういうわけで何が言いたいのかというと、信号が消えていてもついていても、もともとそんなに一生懸命見ていたわけではないようなので、まあ、あまり影響が少ないと言えば少ないようなのではあった。

しかしそうはいっても、交差点で、目の前 1m にバイクがつっこんできて、かすめるように目の前を横切るのをブレーキをかけながら見る、というのは、あまりそう何回もしたい経験ではない。



上の写真は 「突然、動いているバスの目の前でスクーター、二台が交差するところ」 である。これは、バスの中からビデオで撮影した映像だ。ゆっくりとはいえ動いているバスの目の前に飛び込んでくるバイクがいること自体おかしいのだが、バイク同士のクロスも結構きわどいタイミングである。

というわけで、ナポリ市内の有料駐車場にクルマを置いて、あとはバスに乗って市内を移動する …


7th day, Capli

有名な青の洞窟を見に行く

さて、ナポリの安いホテルで一夜をすごした、その翌朝は、ナポリ港から船でカプリ島へと向かう。

カプリ島は、ナポリから船で一時間程度のところにある小さな島で 「青の洞窟」 があることでも有名である。

カプリ島の船着き場で 「青の洞窟往き」 という表示を見つけ、お金を払ってその船に乗ることにする。12、3 人も乗ればいっぱいになってしまうその船は、やがて動きだし、エンジン音も高らかに紺碧の海をすべるように青の洞窟へと向かう。空は快晴。海はあくまで蒼い。まったく気分良いことこの上ない。


青の洞窟へと向かう船からカプリ島を見る。爽快

さて 20 分ほどで青の洞窟の前に到着。洞窟の入り口は思いの他狭く、とてもここまできた船で入れるようなところではない。潮の干満にもよるだろうが、見たところ開口部は、高さ 80cm、幅は 1.5m くらいである。船長より、ここで小さいボートに乗り換えろという指示がある。言われた通り小さいボートに乗り移る。

ボートの中にはいつくばるようにして高さ 80cm の入り口をくぐって青の洞窟は入ってみると、そこは本当に美しいところであった。洞窟の中ではボートの船頭さんがカンツォーネを唄う。「オーソーレミオー」 という唄声に、自然のエコーがかかってなかなか良い。


青の洞窟こと "Grotta Azzura"

ここカプリ島はナポリから 30km ほどしか離れていないが、雑然としたナポリから見ると別世界のような、まさにパラダイスともいうべき美しい島である。昨晩とまったナポリ駅前の薄汚れた安ホテルなどに戻るより、ここで泊まるところを探せば良かったと後悔するが、嗚呼、全ての荷物はその駅前の薄汚れた安ホテルに置きっぱなしなのである

夕方、船でナポリに戻って、ナポリの薄汚れた駅前の安ホテルで宿泊。


8th day, from Napoli to Sicilia

マフィアでおなじみのシチリア島へ

朝、ナポリのホテルを出発する。

やっとのことで市外まで出て、戦争のようなナポリの交通とはおさらばである。

ナポリ郊外でアウトストラーダにのり、そのままどんどん南へと向かう。イタリアのつま先の小さな港まで行き、そこでフェリーを見つけて、マフィアでおなじみのシチリア島へと渡るという作戦であった。とはいえ、フェリーが一日に何便出ているのか、本当に予約もなくて乗れるのか、全く情報がないので心許ないのはこの上ない。しかしまあ地図で見ると、そこの港から海の上を点線がシチリア島までつながっているので、何かの船は出ているのだろう。まずは、そこまで言ってみて、そこで考えようというスタンスである。

さてそうこうするうちフェリー乗り場らしきところの駐車場に到着。クルマを停めて、フェリーの切符売場を探す。首尾良く切符売場があったのでクルマごとシチリア島に渡りたいのだが、と言ってチケットを売ってもらう。さて言われたカネを払った後、おもむろに 「で、次の船は何時ですか ? 」 と聞くと、切符売り場の係員、壁の時計を見てのんびりした感じで 「えーと、あと三分後」 とのこと。

切符売り場を出てクルマまで全力でダッシュ ! 港の中をクルマで走り抜けてフェリーに走りこんだ瞬間、ハシケが上がってフェリーが動き出した …


シチリア島向けてへ出航するフェリー

上の写真は、フェリーがイタリア本土を離れるところ。左下の列の最後尾 (影の中) に大征服号が見える。


9th day, 10th day & 11th day, Sicilia

シチリア島でのんびりしてしまう

… というわけで、ついにシチリア島まで来てしまった。

うーん本土と違って時間がゆっくり過ぎる感じがする。

実はこのあたりから、この旅のペースもまったりのんびりしてしまう。タオルミナという古い遺跡のある町の近くの、マッツァーロ海岸というところで、手ごろな価格のリゾートホテルを発見したのである。部屋はなかなか良いし、プールもついている。まあとりあえず今日はここで … と思って部屋をとったのだが、居心地が良くて結局ずるずるとこのリゾートホテルに四泊してしまうのであった。

さてそうは言っても、シチリア島を少しは走り回らないと 「大征服旅行」 の名に恥じる。

そういうわけで、その翌日、少しは遠出もする。島の中心部にあるエンナという山の上の城塞都市を見学したあと、シチリア島を横断、南岸まで出てアグリジェントという古代ローマ遺跡の町に行くのであった。

そして、南に向かって走るのもここまで …

ここが今回の旅の最遠到達地点で、後は北へ戻る一方となるのである。

北ドイツからヨーロッパ大陸を横断してイタリアへ。イタリア半島を一気に縦断。それではあきたらず更にシチリア島に渡り、島を横断して南岸まで、という道のりを経てはるばるとやってきた相棒をアグリジェントの標識の見える場所に停めて、しばし感傷にひたる …


島の南岸、アグリジェントという遺跡

これで何だか 「ノルマ」 を達成した気分となった。

なので、あとはまたマッツァーロ海岸というところのリゾートホテルでの〜んびりする。

さて、さようなくつろいだある日の夕方、所用でハンブルグの仕事場に電話する。すると友人の S くんが電話に出て 「えー、いつのまにそんなところまで行っているの ? タオルミナだって ? それなら、その近くにものすごくうまいイタリアン料理屋知ってますよ」 とのこと。

… 持つべきものは情報通の友。

そういうわけで、夜は連日、イル・ペスカトーレというタオルミナのイタリア料理屋へ。大衆的な値段だが、非常に美味。もしここまで行くヒトがいたら、だんぜんオススメである。ちなみに、地球の歩き方・イタリア編で紹介されているところだ。


"Libo de Mazzaro (マッツァーロ海岸)"

というところで Report No.3 へと続くのであった …