そして、ローマより南では最も大きな都市であり 「ナポリを見て死ね」 で有名な ? あのナポリへと到着するのであった。
さて、このあたりをドライブして感じることは、どうやら交通法規などというものは重要ではないらしいということである。人々はほぼ気の向くまま右へ行ったり左に行ったりしており、その中でのドライビングはある種の慣れが必要である。
さて、ナポリのインターで高速を降りて市街地に入り込むと、驚いたことには、更にその上、ナポリ市街では信号というモノが全く機能していないことがわかった。市内の全域で信号が故障しているのだ。そのようなわけで街中の交差点はルールも何もなく、完全な弱肉強食状態と化していた。
というわけで、他のクルマに道などをゆずっていたら全く前に進めないという状況に入り込んでしまう。かといって強引に進むと思わぬ方向からクルマやバイクがつっこんでくる。恐ろしいことこの上ない。 「ナポリを見て死ね」 とはまさにこのことだ、などと冗談を言っている場合ではない …
しかし、しばらくして少しこのシチュエーションになれてきてからあたりをよく見ると、それでもそれなりに何とかなっているのに気づく。そのあたりが、まあつまり南イタリアというべきなのであろうか …
つまりはこういうことだ。
ヨーロッパでも何事も謹厳実直なドイツあたりだと、クルマも人も必ず信号を守る。赤信号では人もクルマも必ず停まる。あたりまえだと思うなかれ。これが南ヨーロッパだと、そもそも信号とは、原則的には無視されうるモノなのである。
そして、更にここは 「ナポリを見て死ね」 のナポリである (関係ないか …)。ここらあたりでは信号というのは、どうも最初から 「参考程度」 というような位置づけと理解されているのであった。
まあそういうわけで何が言いたいのかというと、信号が消えていてもついていても、もともとそんなに一生懸命見ていたわけではないようなので、まあ、あまり影響が少ないと言えば少ないようなのではあった。
しかしそうはいっても、交差点で、目の前 1m にバイクがつっこんできて、かすめるように目の前を横切るのをブレーキをかけながら見る、というのは、あまりそう何回もしたい経験ではない。