トップページへ戻る Photographs Leica & Rollei from Europe from the World Who is the photographer?

Reports
旅日記


12th day & 13th day, Alberobello

アルベロベッロの想い出

さて、イタリア大征服の旅も、この日で 12 日めとなる。朝、シチリア島からフェリーに乗って、ふたたびイタリア本土へと戻る。

なおこの Report No.3 が最終回で、移動経路は、シチリア島から南イタリアを回ったあとドイツ方面へと帰るまで。地図ではこのようになります。

イタリア半島のつま先からからカカト方面へとクルマを走らす。

まずは、イタリア半島の 「足のうら」 あるいは 「土踏まず」 のあたりで露天のオレンジ屋があったので一休みする。オレンジ三個を 100 円くらいで買って写真を撮らせてもらったりしていたら、何かイタリア語で話しかけてきてオマケを四個くれた。

言葉は全く通じないのに何年ぶりかで会った友達のような感じだ …

いいなあ、南イタリアは。


南イタリアのオレンジ売りのオトコたち

そのへんの草むらに座ってオレンジを食べる。すっぱいが濃い味がした。

さて、目的地は、イタリアのカカトのあたりにある 「アルベロベッロ」 という街だ。ここには前々から是非とも行ってみたかったのだ。それがどういうところかは、まあ写真をご覧ください。

この円錐形の石積みの屋根は 「トゥルリ」 という。この地方独特のものである。そして、このトゥルリの家が立ち並ぶアルベロベッロの旧市街は、世界遺産にも登録されているのである。


印象的なアルベロベッロの風景 (その1)


印象的なアルベロベッロの風景 (その2)

さて、アルベロベッロには、夕方頃到着する。しばし旧市街の散歩を堪能するが、夕方になってくると、今度は気になるのが、その日のホテルである。

手頃なホテルはないか ? と思いつつきょろきょろしながら歩いていると 「日本から来られたのですか ? 何か困っていることでも ? 」 という声がした。振り向くとそこにいたのが、イタリア人のご主人とこの町で暮らしているヨーコさんなのであった。そしてその後この方とは、何年も家族ぐるみで親しくさせていただくことになるのである。

その言葉に甘えて、アルベロベッロの旧市街の近くに手頃なホテルはないかと思っているのですが、と聞く。すると、わざわざ知り合いのホテルまで連れていってイタリア語で話を通してくれたのであった。何という幸運。

というわけで夜、教えてもらった、ヨーコさんがイタリア人のご主人と営んでいるお店に遊びに行く。ご主人とメイのアドリちゃんという子が歓迎してくれる。お店では、お茶をごちそうになりながら話し込んでしまう。ついつい長居をしてしまい、夜更けにホテルへ戻るのであった。

さてその翌日は、アルベロベッロをベースにして、イタリア半島のカカトのあたりの由緒ある古い街をいくつか見て回り、夕方ころアルベロベッロに戻る。

この日は珍しく、いつもクルマでぎっしりの旧市街の脇の広場に手頃な駐車スペースを苦もなく見つけることができた。

そして夜はまたまたヨーコさんのお店に遊びに行く。すると、今度は、事情を了解したイタリア人のご家族のみなさんから家族同様の歓待を受けてしまうのであった。まったくかたじけない。そういうわけで、夜更けまで非常に楽しい時をすごす …

そのときはまだ、翌朝、あっと驚くことになっているとも知らずに …


14th day, Alberobero

アルベロベッロの痛い想い出

さてこの日で旅も、もう 14日めとなる。

非常に楽しく、そして思い出深い土地となったアルベロベッロを離れることになる。この日から、一路北へ向ってクルマを走らすのである。朝、ホテルをチェックアウトして荷物を持ったまま、ヨーコさんのお店にお別れをしに行く。

その後、クルマを置いてある旧市街脇の広場へ行く。と …

な、な、なんとそこは市場となっているのであった。

気の毒な我が Audi 大征服号は、市場の店の中に取り囲まれた形になっている。

お店の側から見てもさぞかしじゃまだったらしく気の毒な感じである。が、こちらも困った。昨晩、どうも駐車スペースがやけにすいていると思った。と、今さら言っても何の足しにもならない。


なんとアルベロベッロの市場のど真ん中

幸いなことに、市場の露店と露店の間の通路はクルマ一台何とか通れる程度の幅があり、クルマをそろそろと動かすことにする。市場の人ゴミの真ん中を中を通らせてもらうと、当然だが周りの視線を集めること甚だしい。

何やっているんだこいつは、という冷たい眼で見られることを覚悟したのだが、しかしどうも様子が違う。何だか皆さんの視線が優しいのだ。笑顔の人もいる。皆、この人、知らなかったんだなあ、でも困っているんだから何とかしてあげなきゃ、という感じ。歩行者の交通整理を買って出る人もいる。

いいなあ南イタリアは …

というわけでようやくアルベロベッロを離れ、この日からは一路北へ向かうのである。

この日は北へ北へと 750km 走り、イタリア半島のつけねのあたりにあるリミニという街で泊まることにする。夕食はもちろんこの日もイタリアンである。

そろそろ 「しょうゆ味」 の料理でも良い気はする。しかし前日までに、なんと 11 日連続スパゲッティ ! という大記録をうち立てて更新中なのである。やはり今日までイタリアにいる以上、ここは 12 日連続という新記録を残したい。

というわけで地元のイタリア料理屋へ。まあ、やはり本場イタリアの 「スパゲティ・ポモドーロ」 はうまい。なお、毎日々々パスタ食べるなら、いろいろな種類を頼むより、かえって基本中の基本の 「ポモドーロ」 (塩・胡椒・トマトだけで味付けした具のないスパゲッティ) の連打の方が飽きがこない、というのは新発見であった。


リミニのイタリア料理屋の前で …

12 日連続スパゲッティの記録をうち立てた、リミニのレストランである。


15th & 16th day, from Italy to Hamburg

旅の最後の二日間

この日ついに、イタリア半島を抜け出し、ドイツに向けて北上する。

そして、高速のサービスエリアの表示が 「エリーア・セルヴィーツィオ」 (=イタリア語) という優雅な表示から 「アウトバーン・ラストシュテッテ」 (=ドイツ語) という謹厳実直な響きの文字に変わってしまう場所を通り過ぎたのであった。

夕方、この旅の最後の宿泊予定地であるミュンヘンに到着。

もちろんミュンヘンでイタリアンを食べる義理はないので、しょうゆ味を求めて中華料理屋へ。外国で、ひさしぶりに中華料理を食べるといつも 「たいへん満足した感」 があるように思う。なぜだろう ? この日も満足してミュンヘンのホテルで就寝する。

というわけで、その翌日がいよいよ旅の最終日となる。

とはいえ、この日は、ミュンヘンからアウトバーンを 800km 走ってハンブルグへと向かうだけである。

北ドイツには、南イタリアのような、さんさんと輝く太陽はない。これはやむをえないことだ。しかし、緯度が上がるにつれて、空に、これぞ北ドイツという感じのどんよりとした雲がふえていくのは何とも気が重いことである。

イタリアではこういう空はあまり見かけなかったなあ … と思いつつ、雲を見上げる。

そして典型的な北ドイツウエザーの出迎えを受けつつ北ドイツを走るのであった …

得られたどうでも良い教訓
・ イタリア料理はやはりうまい。
・ 特にスパゲッティ・ポモドーロはうまい。
・ イタリアで広場にクルマを停めるときは用心しましょう。

というわけでイタリア半島大征服、これにて完 !


使用撮影機材: Olympus OM-4Ti